み(仮)

the best is the enemy of the good

2013-05-09

ブログを完全にこのブログに移行した。したがって, 旧ブログは完全に意味がなくなるのだが, 消すのも偲びないし, 残すことにする。今のところは個人紙を製作するまでの間ということで, このブログを書いていくつもりであるが, 製作が自分の中のラインに乗り始めたら思い切ってレンタルサーバーを借り, また違うことをやっていきたいと思うのだけれど, いつもこの文句ばかりでラインに乗れていないというのが現状だ。言い訳ばかりになるが, 紙の目処が立っていないこと, 製作に当たって必要な機材が準備出来ていないこと, 構成に少し不満があること, これらのことがいま現在妨げになっている。

twitterから
"ある劇団の機関紙をむかむかしながら読む。僕は表現できない側の人間だから, 自分を些かでも表現できる"自信"が生じれば満足出来るかと思っていたけど, 彼らの表現には違和感がある。それに対しての苛立ちがあるのだろう。但, それは誰かの僕に対しての苛立ちでもある。理解したくない"
"我侭とか甘えとか, 多くが本質をついていない言葉としての表現が, 流行を作っている。それとは一線を画したところで演劇関係者が, 表現者が何かを示現する。だから言葉で批判することはできないと思う。数年前の僕なら「嫌い」という言葉で片付けていた。今は何も表現できない。何も言えない"
"彼らが成功した存在であるとして, 僕がその中で何かを表現できたとしても, 未来を予定調和的に考えている僕には受け入れられないことだったのだろうと"仮定"してみる。だとしたら僕はどんな場所であっても自分を受け入れることが出来ない。場所が磁場をもっているとの考えを否定する必要がある。"


一番むかむかするのは旧い, あるいは現在の表現者=彼らに対して自分自身が何を表現できるのか? どう生きるか, またはどう考えるか, それさえも身体として言葉として何も表現できない自分自身であることは言うまでもない。ただ, 演劇というひとつの磁場において, 誰かが語る, この場合は二人の人が語っていることに, 内容的な面でも僕は苛々している。文献も演劇論も含めて参考にはなるし, 知らないこともいっぱい含まれている。けれども, それらが殊更に新しいものには思えない。その劇団はアングラ演劇を志向しているが, 僕は過剰にアングラというものに対しての幻想を抱いていたのかもしれない, と思う。たとえば同じ言葉に対して, あるいは話し手の容姿についての困惑。彼らがアングラを自称する際に, 自然と僕らの立脚する次元の内にアングラが存在しているのではないかと思われた。


学近くで倒れている女性。自転車で仕事から帰る途中に発見する。この前は, 四月だったけど, タクシーから降りて吐いている女性を見かけた。これも女性だった。女性であることに特別な不快感を覚えるわけではないけれども, なぜ女性なのかと思う。それに, なぜこの場所なのか。近くに居酒屋が密集しているわけでもないし, 歓楽街というわけでもない。大学という, ある種の知的空間のすぐ傍で, 女性が酒を飲んで倒れる。何も珍しいことではない。ほかの大学ではよくある話…なのだが, 異様なことにこの大学ではあまり見かけなかった。それはおまえが気づかなかっただけだろう, と言われれば, はいそうかもしれません, と答えるしかないのかもしれないけど, 僕が感じたのは知性の可視的な衰退と, 学生らしさを出せる場所の消失ということだった。どういうことかと言うと, これまでは部室のある建物で, 学生の自治空間で無茶なことをするのが許された。僕の知らないところだが, 酒を飲んで泥酔状態になり, そのまま部室で寝泊りすることもあっただろう。全て学生の馬鹿や無茶が一つの場所で飲み込まれていた, と思う。いや, それが自治の本質なのだろうけど, たしかに友人の言うように, あの日常はおかしいことだったのだと気づく。
「自治」の消失がもたらす影響が少しずつ, 少しずつ出てきた。まず建物に学生が長居しなくなる。一日中使えるはずの建物に無人が目立つ。ある時間以降は使用しないサークルが現れるようになった。と同時に, 自治の象徴である夜間警備への疑問の声が上がり始める。あるサークルの先輩・後輩の会話を実際に僕が聞いた話だ。先輩が夜間警備(夜警)についての説明をする。すると, 後輩が笑いながら「え~, 何でそんなことするんですかぁ? 大変じゃないですかぁ?」と口にする。この段階ではまだ, 夜警を嫌悪するまでには至っていない。だが, そのうちに自分がするようになると不満が爆発する。それとは別に, ある事件を契機にして夜間使用がはばかられるようになると, 学生が外で"学生らしい"行動をしなければならなくなる。自治の確保する場所で容認されていたものが, 社会の中で容認できない行為に代わる。行為そのものに問題はないにしても, 場所がそれを許さなくなる。学生はまだそのことがわからない。ただ, 段々と周りから疎んじられるようになる。こんなものか, と。これまで起こらなかったことが, いま起こりつつある。