み(仮)

the best is the enemy of the good

2013.3.31

職場の先輩とフリーターについての話をしていたら, どうもこの人, フリーターを悪いものだと考えているらしいとわかり, 『80年代「地下文化論」講義』を読む前だったが, 私の友人にあえてフリーターをしながら自分のやりたいことをしている人がいるが, それは認められていいのではないかというようなことを言った。



正社員になれば時間がなくなるからなのだが, 欧米では一部の富裕層に限って長期休暇が認められることがあるが, 日本では特殊な職場で働いている人を除き, 正社員では一部の「ブルジョア」に限られ, 殆どの人がちょっと海外で一人旅というのが許されていない。宮沢はある種の表現者に限り, フリーターを超えた生活と表現形態が認められていいのではないかと言っていたが, これは何も表現者に限らないと思う。そもそも一人に一つの就業形態を前提に考えること自体が, 終身雇用という考え方から抜け出せていないではないか。マルクスは分業制について理想としていたようだが, 未だに世間というものは一つの職業に個人を押し込めるものである。



カネのことを考えれば正社員がいいのは明らかだが, カネに不自由しない生活もそれはそれで嫌だし, 何よりしたいことができないという生活はもっと嫌だろう。フリーターを超え, 正社員も超えた表現活動のある生活(それが趣味であるとしても。老人になり, カネに余裕が出来て初めて趣味活動を行えるというのも嫌だ)にはもうちょっと保証されるものがあっていいんじゃないかと思う。