み(仮)

the best is the enemy of the good

AI・DD総合種に合格した話

先日行はれた秋試験に受かったのでメモ。勉強するにあたって調べてもいい感じに参考になるブログがなかったのと, 個人的な日記としてあとで読み返したいといふのもあって, ここに書いておく。当たり前だけど, これを読んだからといって読者の勉強法が確立されるわけでもないし, ましてや試験に受かりやすくなるものでもない。

受験動機

そもそも私が受けたのは就職活動のためなのだが, 2年ぐらい前から受けようかなーと思ってて, 気づいたらいい感じの年齢になっていたのでそこまで本気といふわけではなかった。いまのバイト先が試験に合格して就職活動を始める段階でやめられる感じだったので, いい加減仕事がめんどくさくなって3ヶ月ぐらい本気で勉強するかと思ってぼちぼち休みの日に勉強したら受かった。

第二種電気工事士の実技試験もけっこう近くに控へていたのだけれど, そっちの方は交通費が出せなくなって不合格になった(不戦敗)。

参考書

まず私は文系なのでオームの法則から始めようと物理の本などを探したりもしたが, すべて杞憂に終はった。せいぜい中学までの電気の勉強がわかっていればあとは AIDD の参考書で足りる。あとは数学だが, 対数の計算が一部必要になる。私は高校まで数学ⅡBをやっていたから, 対数の計算はすんなりできたが, これも単純なもので, 参考書を読んで実際に計算していたらなんとかなる。だから, 結局のところ, AIDD の参考書を読んで実際に問題を解いていたらどうにかなる。

購入したものは,

の4冊。でも下の二冊だけで足りる。『工事担任者AI・DD総合種 徹底研究(改訂2版) 』は『工事担任者 AI・DD総合種 標準テキスト 改訂版』の知識の抜けを補ふために購入したものだが, 文章が多くわかりにくい。必要な知識ものっていなかったりするのであまりおすすめしない。『電気通信教科書 工事担任者 DD第1種 合格ガイド』は参考書の中では一番わかりやすいと思ふが, アマゾンのレビューにもあるように誤植が多く, 信用できない記述がちらほら見受けられる。DD に特化しているかといへばそうでもなく, 『工事担任者 AI・DD総合種 標準テキスト 改訂版』ではわかりづらい記述が, 多少はわかりやすく書かれているぐらいが利点だろう。
工事担任者 AI・DD総合種 標準テキスト 改訂版』の姉妹図書として法規や基礎, 技術・理論のみについて書かれたものもあるが, 書いてあることはそう変はらない。標準テキストの方をもっているなら, 買ふ意味はない。あと, DD 三種や AI 三種などの下位試験の対策をしても総合種試験の対策にはならない(当然だが)。セミナーを受けるのでもない限り, 『工事担任者 AI・DD総合種 標準テキスト 改訂版』を首っ引きにしながら問題集をひたすら解ひていくしかない。

勉強法

AI・DD総合種は「基礎」「技術・理論」「法規」の3つに試験科目がわかれる。これは本番の試験も同じで, それぞれに試験時間が配分される。このへんのことはめんどくさいので公式を読んでもらうとしも, どれか一つを長けていても合格できるわけではないといふことがいへる。
さて, ぱっと見「法規」が簡単に見えるのだが, これが結構めんどくさく, 法律の条文の一部を変へただけのひっかけ問題や数字をきちんと暗記していなければ解けない問題が多く, 意外と時間がかかる。はじめは「基礎」の問題を解ひていきながら「技術・理論」を徐々にならしていき, 「法規」の問題もやっていく, といふのが賢明な立ち回りのように思はれる。
私も文系なので最初は「基礎」が一番難しく感じられたのだが, 実際はそこまで難しくなく, 余程のことでもない限り得点源になる。とくに難解に感じられた論理計算などは初級程度の問題しかでないので(たぶん), きちんと意味を理解して問題演習をこなせばいい。理系の受験生でなれているひとは飛ばしても問題ないのでは? と感じられるぐらいだ。
「技術・理論」は細かい仕様や覚えることが殊の外おおく, 一番時間がかかると思ふ。すべて覚えるのは非常に大変なので, 問題集を読みながら出るところをピンポイントで覚えていく, といふやり方でいいだろう。問題集だけでは抜けが多いため, 参考書を必ず読みながら知識を体系づけて覚えていくことが望ましい。丸暗記では対策が難しい。

さて参考書と問題集は基本的に一冊ずつでいいので, 私はだいたい図書館で勉強した。AI・DD総合種の対策は参考書が非常によくまとまっているため, ノートを整理する必要もない。丸暗記が必要なものはルーズリーフなどに表でまとめておき, それを参考書なり問題集なりに挟めばいい。わざわざネットで検索する必要もないので, 勉強はスムースに進んだ。
計算問題が必要なものはノートに書き込む必要があるが, わざわざファイリングするまでもない。無印の5冊で200円ぐらいのノートで足りる。
科目が3つにわかれているため, ある程度まで問題が進んだら一度読み返しがてら休憩する感じでいい。私の場合, できなかった問題に正の字を書ひていき, 5周ぐらいこなしたが, 3周目ぐらいにはだいたい解けるレヴェルにはなっていると思はれる。

各科目について

基礎。暗記が必要なところは限られているので, 暗記しつつ計算を主にやっていく感じ。各接地方式はとくに記憶に手間がかかるが, なんとかゴロでもいいので覚えるしかない。トランジスタ回路の計算問題は図にするとわかりやすい。解法を見ながら一つ一つのピースを合はせていくように, わかっているものとわからないもの, 求めたいものを整理していきつつ解く。慣れが必要だろう。
電子回路はどういふ流れなのかを理解するとわかりやすい。電気が実際にどういふふうに流れていき, どこでどれだけの電圧がかかるか。慣れないうちは図を自分で作成するとよい。論理回路は一つ一つを数字や文字で追っていく作業が必要になる。最終的には式にしたりベン図を書ひたりしてゴリ押し気味に説ひたりもする。ブール代数も同じ。

技術・理論。電話回線で使はれる機能や専門用語は正しく理解すること。ただし, 内容が多岐にわたるため, 頻出のものから覚えるとよい。とくに電話機能については半分ぐらいが常識的な機能だと思ふので, 似たような単語を正しく分別したり, どうしても覚えられない単語は別途メモするなどの工夫が必要。細かい数字で, 覚えなければならないところはゴロでもいいので丸暗記。文系にとっての問題は呼数・呼量の計算だろう。実際の試験でも数問出たが, 早めに慣れておくことが大事だと思ふ。パターン化できないので, 基本公式を覚えてそれを応用できるかが鍵か。
ダイアグラムはやれば得点源になって美味しい。その他の施工管理は覚えることが多いので余裕があればでいい。何が出るかわからないから。
とにかく対策に一番時間がかかる科目なので, じっくり, きっちり取り組む必要がある。でも無理な科目でもない。やればやるほど点数が伸びると思ふ。

法規。ひっかけ問題が多いので単語は正確に。但, 丸暗記はだめ。法の条文が何を言っているのかをなんとなく理解しながら, 頻出の単語を覚えるぐらいでよい。数値は完璧に覚えること。結局のところ, 「技術・理論」に通じるところがあり, 油断ができない。

実試験について

まず朝はちゃんと間に合ふように起きること。私は交通費をケチったために遅刻しそうになった(ぁ。免除申請がある場合は試験時間についても把握しておくこと。時間の感覚としては, 「基礎」の時間がわりとギリギリで, 他は随分余裕があるなーと感じた。ただ, 実試験に備へて練習で試験時間をはかりながらやる必要はないと思ふ。当日は5回ぐらい見直してわからない問題を解ひたが, それでも時間が余った。最後まで粘り, 周りを見たら私以外に誰も居なかったぐらいだから, 「基礎」のみの場合などはともかく, 時間が足りないといふことはないだろう。
問題自体は問題集にのってる問題をちょっと変へていたり, 変な問題を何問か紛れ込ませているところはあったものの, 真面目に問題集を解き, 参考書で理解を深めていたら解けない問題のでる試験ではない。そもそも試験合格率が20%から25%ぐらいの試験で, 4,5人に一人が受かると考へれば...ね。

失敗したこと

実は上にも書いたように, 正確に覚えていないものがピンポイントで出てあたふたしたことがある。プラス, 呼数の計算問題では応用的な問題が出たために当日は冷や汗をかひた。試験が終はり, これで落ちたら来年は AI・DD に加へて電気通信主任技術者応用情報技術者第二種電気工事士と...全部やらないといけないのか...とかなり絶望した記憶がある。
AI・DD と電気通信主任技術者の試験は共通することも多いので(特に免除があったりと), できるなら同時に対策しておいたほうがいいかもしれない。後回しにしたために今私が大変な思ひをしているので(おい。