み(仮)

the best is the enemy of the good

じゅげむのエロゲー

今日は下関に。じゅげむでYMOのCDを借りていたから、返却に向かったら棚の配置が変わっていた。DVDとCD、コミックのあるスペースはほぼ前の通りで、変更があったのはカードとゲーム、それからエロゲーのスペースである。簡単に言えば、カードを販売するスペースと実際にカードゲームをするスペースが広くなっており、ゲーム販売のスペースがほぼ消滅。エロゲーのスペースはAVコーナーのあるところから
入れるようになっていた。

まあ、たしかに以前よりは入りやすくなったし、先ほどじゅげむの公式ブログを見てみると、エロゲーの購入時間帯が深夜2時までと広くなっており、配置換えの影響がよい方向に表れているようだ(たしか以前までは11時ぐらいまでだった)。それに、カードゲームをする人たちの横を通ってエロゲーを買いに行きにくい、というのもあったので、どちらかというとAV側からの方がよい。AVを買う人の中にもエロゲーを冷やかす客がいるので、必ずしもよいことばかりではないものの、とりあえずはいいことだと思っている。
それはいいのだが、エロゲーコーナーを久しぶりに覗いてみたら、何というか、進歩がない。じゅげむは基本的には新作をメインに売っているからか、新作は前面に出され、充実しているように見えるが、中古ゲームが時代遅れのものばかりで、見栄えがしない。しかも中古の棚のうち、半分が三百円から千円までの格安エロゲー(だいたいがクソゲーだと思われる)で、全てのパッケージが色あせている状態だ。

新作ゲームは予約することで格安の値段で売ってくれるし、新作をamazonで買うことに抵抗がある(もしくは通販の形態で買うことが出来ない)ユーザーにとってはよいことだろう。たぶん、独自の流通経路をもっている強みが表れている。しかし、amazonが隆盛を誇っている現在、多くの客が求めるものはエロゲーを見て楽しむということではないだろうか。中古ゲームを侮ってはいけない。中古ゲームが高すぎるのも問題がある。
ソフピットはともかく、りとる屋などは殆ど中古商品で店を盛っているし、おおむね安い。私は、それが本来のエロゲーショップの「味」なのではないかと思っている。どうしても新作ばかり見ていると流行に合わせている分、飽きてしまうのだ。たとえばジャンルなどもそのときの流行に左右されやすく、私は巫女フェチが多少あるが、巫女が求められなくなる時代には巫女が新作から消えてしまうこともあるだろう(調べたことはないけれども)。
こういう「差」を見ながら楽しむことも、客が求めることの一つだと思う。配置に関してはおそらくは垢田の辻の近辺にある古本王国の配置を真似たのだろうが、古本王国ではAVコーナーと一緒の場所にあるものの、他のスペースと隔離されているという感じがし、アングラ傾向にあるエロゲーユーザーにとっては非常に心地よい。今日も寄ってみたら他の客がケータイでメモをしながら、ショッピングを楽しんでいた。メモを取れなくとも、こういう居心地のよさがじゅげむには必要だと思われる。喧騒がすぐ横で起こっている状態で、おちおちショッピングも叶わない。ちなみに、りとる屋は商品価格などを守るためだろうが、メモを禁じている。

もう一つ、じゅげむはエロゲーについて勉強しているのか? と疑問に思ったものだ。ただ売っているだけのように思えてしまうのだ。エロゲーメーカーは昔から作品の変化に留まらず、イヴェントなどを行うことで客を楽しませようとしている(それが結果的にファンの心をつかむことになるからだが)が、じゅげむは私の知る限り、メーカーのイヴェント誘致もなければ、体験版の配布もないようで、ポイントカードに至っては未だに作られていない状況である。こんな状況だから、「ついでに売っている」印象が否めないのだ。
じゅげむは今から社員を研修に向かわせ、エロゲー販売チームを作るべきで、客との距離感をもう少し縮めるべきだと思う。彼らがどのくらいエロゲーに関しての知識をもっているのか知らないが、私は、少なくとも企画力に関しては皆無ではないかとみている。しかし、残念なことだが、中古エロゲー販売店が生き残るには客との距離感を縮めていくしかないのである。