み(仮)

the best is the enemy of the good

あるあるCity

4/27に開店したあるあるCity(福岡県北九州市小倉北区)に行ってきたが、予想通りの状況だったので落胆した。
サブカルチャーの総合ビルだと言うが、総合というよりは寄せ集めと言った方がよく、私が行ったのは4/30だが、既に退潮の兆しが見えているようで、各店舗で固有の客はともかく、新規の客が既にまばらの状態だった。GWですらこの有様なので、おそらくビルから撤退する企業もあるのではないかと思われる。

まず、評価する点としては、
らしんばんゲーマーズが北九州に進出
 特にらしんばんについては九州では熊本にしかなく、福岡に先駆けて進出したことが大きい。
タペストリー専門店が出来た
 西又葵西日本総合展示場でよく原画展をやっているから、その影響か?
まんだらけメロンブックスのスペースが拡大した
  まんだらけはコスプレや女性同人誌のスペースが拡大したと跡地に広告してあったが、そのほかのスペースも微妙に広くなっていると思われる。両店ともに商品を比較的密に展示することで、スペース以上に商品を展示出来ている。

ことが挙げられるが、逆に評価出来ない点としては、
らしんばんでの成人向けスペースが他店と比べ、狭くなっている
 一隅のみの展示で、同人ソフトに関しては確認すら出来なかった。
・ソフピット、とらのあなヴィレッジ・ヴァンガードの不参加
 ソフピットはエロゲー専門店で、とらのあなメロンブックスに比べて成人向けの商品を取り扱っている。ヴィレッジ・ヴァンガードはコレット内に店舗がある。
・近くに食事をする店、買い物できる店が少ない
 結局南側に行かなければ十分に楽しむことが出来ない。映画館も近くにない。

ことが挙げられるだろう。
らしんばんは九州には熊本しか店舗がないが、メロンブックスと併設することで、主に中古品を売買している店である。福岡にも北九州にもメロンブックスはあるが、らしんばんがないことには以前から疑問に思っていたが、今回、らしんばんが小倉に出来たのを知って喜んでいたぐらいである。私は、熊本にらしんばんの店舗が出来た知ったとき、熊本まで買い物に行ったほどだ。さて、らしんばんをほぼ全店回ってみたので言えるのだが、らしんばんは年齢制限のない商品と同等に成人向けの商品も売買しており、私の見る限り、どちらも繁盛しているようである。それなのに、今回の仕打ちには落胆せざるを得ない。成人向けの商品のみならず、一般向け商品に関しても、明らかに商品が少ないのがわかるが、これぐらいなら熊本に出向く。
そしてソフピット、とらのあなの不参加に関しても落胆した。あるあるCityに行政が一枚絡んでいることは明白だが、それゆえに成人向けの商品を隠すか、または販売しない方向で進んでいるようである。メロンブックスまんだらけはブースを小さくし、商品を密に展示することで、何とか以前と同様の商品数を確保しているようだが、メロンブックスで流れる映像には以前のような同人ゲームの猥褻映像がなく、エロゲーのOPが二つほど流れている程度だった。偽造工作だろうが、私はまんだらけもメロンもこの雰囲気を味わっていたので残念である。まあ、メロンに関しては女性の店員が愚痴をこぼしていたのを聞いたことがあるから、前々から問題にはなっていたようなのだが。
とらのあながないことで、あるあるCityの魅力は大きく激減した。とらのあなは成人向け商品の販売に大きく偏っている店で、それがとらのあなのアイデンティティでもあると思っているのだが、それとは別に同人誌販売が業界第一位である強みもあるのか、全てのジャンルに関してメロン以上の在庫をもっている。メロンはこれに対して同人誌の「専売」を打ち出しているのだが、とらのあなも「専売」の商品を持っており、どうもぱっとしない。だから、私は福岡にとらのあなを目当てで行くことすらあるぐらいだが、とらのあなが小倉に出ないことで、他の北九州のおたくたちも以前通り福岡に出向くのではないだろうか。メロンやアニメイトがエロゲーの販売に消極的ですらある状況の中で、ソフピットには是非とも移転してほしかったのだが、「エロ」を嫌う行政には対抗しきれなかったか。
あるあるCityには南北の往来をもっと活発にする目論見もあるようだが、近くに店がない以上、おたく以外に北へ行くこともないだろう。おたくとは他の衣料品、食事などに概ね無関心なもので、だから天神北は未だに栄えていないのだが、行政はおたくに何を期待したのだろうか。せめてファストフード店ぐらい誘致するべきだったのではないかと思う。劇場版アニメを見たいおたくも多いだろうが、チャチャタンまで結構離れている。不経済である。

ほか、気付いたことと言えば、
・不良が徘徊するようになっていた
 ネットでも懸念されていたようだが、既に隅で煙草をふかしている不良少年の姿を見かけた。もともとあの辺りは地の人間が多いし、寂れているので治安がよくない。警備員がいるようだが、数名が人通りの多いところを警備しているぐらいで、不良とはそういうところには行かないものである。
・ガチャガチャ、自動販売機の数が多い
・なぜかメイドカフェがない
 帰りにニコ道がビラ配りをしているのを見た。この店を知らないので、帰ったあと調べてみたら、アニソンカフェを謳ってはいるものの、メイドカフェのようなものだと判った。あるあるCityにはKOTOKOの曲を流している喫茶店のような店もあるにはあるが、店員の服装、内装含め、入りづらいものがある。

ことが挙げられるだろうか。
サブカルチャー総合施設を商業施設か何かと勘違いしているのだろうが、ただ物を売っているだけの施設をサブカルチャーだなどと呼ぶことは私には出来ない。メロンブックスは色々なメーカーを誘致してイヴェントを行っており、少年の頃は感動したものだが、これも今後行われるのかどうか…。
北九州漫画ミュージアムの開館が延期したことに関しては、知人が「それが売りなのではないか」とボヤいていたが、たしかにその通りだと私も思うので、今回の延期については二人で一緒になってバカにしたものだが、資料を延期の分、充実させてほしいと願うばかりである。どうせ松本零次の押しの一手なのだろうが、ほかの漫画家の漫画や資料、あるいはあずなどの漫画研究会の資料も閲覧できるのであれば、十分モノになる施設だと私は思っている。明治大学のように閲覧にカネをとるぐらいなら行かないし、同じカネをとるのでも、エロマンガ誌が読めないのでは、私なら明治大学に行くが、さて、どうなるか。